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2021 国家一般職 マクロ経済学 No.39

 経済成長理論を考える。\(t\) 期における、産出量を\(Y_{t}\)、資本の生産性を \(A\)、資本ストックを\(K_{t}\)とするとき、マクロ生産関数が
 \(Y_{t} = AK_{t}\)
で与えられている。ここでの資本ストックは物理的な資本だけでなく、人的資本なども含むものとする。
\(t+1\) 期の資本ストック\(K_{t+1}\)は、資本減耗率を \(d\)、投資を\(I_{t}\)とするとき、以下の式で示される。
 \(K_{t+1} = (1 − d)K_{t} +I_{t}\)
また、平均消費性向が \(a\) である\( t\) 期の消費関数\(C_{t}\)が以下の式で示される。
 \(C_{t}= aY_{t}\)
さらに、毎期、財市場の需給が均衡し
 \(Y_{t} = C_{t} + I_{t}\)
が成立している。いま、資本の生産性\( A\) は \(0.4\)、資本減耗率 \(d\) は \(0.1\)、平均消費性向\(a\) は \(0.6\) であり、それぞれ一定とする。このとき、経済成長率\(\left(\frac{𝑌_{𝑡+1}}{Y_{𝑡}}− 1\right)\)はいくらか。

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正答 4

 \(\frac{Y_{t+1}}{Y_{t}}=\frac{AK_{t+1}}{AK_{t}} \)

ここで、\(K_{t+1} = (1 − d)K_{t} +I_{t}\)より、

\(\frac{Y_{t+1}}{Y_{t}}=\frac{A\{(1-d)K_{t}+I_{t}\}}{AK_{t}}=\frac{(1-d)K_{t}+I_{t}}{K_{t}}\)・・・①

\(Y_{t}=C_{t}+I_{t}\) より
\(I_{t}=Y_{t}-C_{t}\)
また、\(C_{t}=aY_{t}\)だから
\(I_{t}=Y_{t}-aY_{t}=(1-a)Y_{t}=(1-a)AK_{t}\)

これを①式に代入して

\(\frac{Y_{t+1}}{Y_{t}}=\frac{(1-d)K_{t}+(1-a)AK_{t}}{K_{t}}\)

\(\frac{Y_{t+1}}{Y_{t}}=1-d+(1-a)A\)

\(\frac{Y_{t+1}}{Y_{t}}=1-0.1+(1-0.6)×0.4=1.06\)

したがって、\(\frac{Y_{t+1}}{Y_{t}}-1=1.06-1=0.06\)

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公務員試験過去問研究
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