ある企業は資本設備の大きさが\(k(>0)\)のとき、短期の費用関数が
\(C=\frac{9x^{2}}{k}+k+5\) (\(C\):総費用、\(x\):財の生産量)
で与えられているとする。
この企業の長期の費用関数として、妥当なのはどれか。ただし、この企業は長期において資本設備の大きさを調整費用無しで変更できるものとする。
- \(C=6x+5\)
- \(C=6.5x+5\)
- \(C=10x+5\)
- \(C=3x^{2}+8\)
- \(C=9x^{2}+6\)
正答1
企業にとって最適な資本設備の大きさとは、ある生産量において費用が最小となるような資本設備の大きさを意味します。費用\(C\)が最小となる資本設備の大きさ\(k\)は、費用\(C\)を資本設備の大きさ\(k\)で微分して0とおけば求められます。
\(C=\frac{9x^{2}}{k}+k+5\)は、書き直すと\(C=9x^{2}k^{-1}+k+5\)で示されます。
\(C\)を最小にする\(k\)を求めるために、\(C\)をkで微分して0とおくと
$$\frac{\partial C}{\partial x}=-9x^{2}k^{-2}+1=0$$
これを\(k\)について解くと、\(k=3x\)となり、任意の\(x\)について最小となる\(k\)を求めることができます。あとは、\(k=3x\)を費用関数に代入して
$$C=\frac{9x^2}{3x}+3x+5$$
$$C=6x+5$$
正答は1となります。