スポンサーリンク

2021年 国家一般職 ミクロ経済学 No.34

 価格支配力を持ち、平均費用の逓減が著しい、ある独占企業についてこの企業の生産物に対する逆需要関数\(p_{x}\), 費用関数\(C_{x}\)がそれぞれ
\(p_{x}=500-x\)
\(C_{x}=100x+30000\)
\(x\):生産量
で示されているとする。

 この企業が利潤を最大化した場合の価格を\(p_{A}\), 政府からの限界費用価格規制を受けた場合の価格を\(p_{B}\)とすると、\(p_{A}\)と\(p_{B}\)の関係に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。


  1. \(p_{A}\)の方が\(p_{B}\)より250小さい。
  2. \(p_{A}\)の方が\(p_{B}\)より200小さい。
  3. \(p_{A}\)の方が\(p_{B}\)より200大きい。
  4. \(p_{A}\)の方が\(p_{B}\)より250大きい。
  5. \(p_{A}\)と\(p_{B}\)は同じ大きさである。

正答3

 費用逓減産業において、限界費用価格形成規制を行うと、価格は独占状態よりも低くなり、余剰は最大(パレート最適)になります。したがって、正答は3か4となります。

 まず、独占の場合の価格\(p_{A}\)を求めましょう。独占の場合は、企業は限界収入\(MR\)と限界費用\(MC\)の一致するところで生産量を決定します(利潤最大化条件)。本問のように、需要曲線が直線で示される場合は、限界収入曲線\(MR\)は需要曲線の傾きが2倍の直線となります。したがって、
\(MR=500-2x\)

 次に限界費用\(MC\)は費用関数\(C\)の傾きなので、式より判断して\(MC=100\)で一定となります。したがって、利潤最大化条件より\(MR=MC\)なので
\(500-2x=100\)
\(x=200\)
この時の価格は需要曲線に代入して
\(p_{A}=500-200=300\)

 次に限界費用価格規制をした時の価格\(P_{B}\)を求めましょう。
限界費用価格規制は、限界費用\(MC\)と需要曲線の交点で価格を規制するものです。つまり、価格=限界費用となるのです。本問では限界費用\(MC\)は100で一定ですから、規制時の価格も100で一定となります。したがって
\(p_{B}=100\)
です。
以上より\(p_{A}\)と\(p_{B}\)の差は200となり、3が正解です。

スポンサーリンク
島本昌和をフォローする
スポンサーリンク
公務員試験過去問研究
タイトルとURLをコピーしました