消費者Aと消費者Bの二人の消費者、そして私的財Xと公共財Yの二つの財からなる経済を考える。消費者AによるX財の消費量を\(x_{A}\),消費者BによるX財の消費量を\(x_{B}\),公共財の消費量を\(y\)とし、また、消費者A、Bの効用水準を、それぞれ\(u_{A}\), \(u_{B}\)とすると
\(u_{A}=x_{A}\sqrt{y}\)
\(u_{B}=x_{B}\sqrt{y}\)
で示される。また、当初、経済には消費者Aと消費者Bの私的財だけが合計36存在し、以下の関数に基づき、公共財が私的財から生産される。
\(y=\frac{1}{3}x\) (\(x\):私的財の総使用量)
一方、この経済の社会厚生関数\(w\)は、
\(w=u_{A}\times u_{B}\)
である。\(w\)を最大化するような、(\(x_{A}, y\))の組み合わせとして妥当なのはどれか。
- \((x_{A}, y)=(6, 4)\)
- \((x_{A}, y)=(6, 6)\)
- \((x_{A} ,y)=(6, 8)\)
- \((x_{A} ,y)=(12, 4)\)
- \((x_{A}, y)=(12, 6)\)
正答4
\(w\)を最大にする\(x_{A}\)や\( y\)を求めたいのですが、これは\(w\)を\(x_{A}\)や\(y\)で微分して0とおけば求めることができます。
\(w=u_{A}\times u_{B}\)に\(u_{A}=x_{A}\sqrt{y}\), \(u_{B}=x_{B}\sqrt{y}\)を代入すると
\(w=x_{A}\sqrt{y} \times x_{B}\sqrt{y}\)
\(w=x_{A}\cdot x_{B}y\)
次に\(y=\frac{1}{3}x\)を代入して
\(w=x_{A}\cdot x_{B} \cdot \frac{1}{3}x\)
また、私的財の総量が36あることより、
\(x+x_{A}+x_{B}=36\)
となります。したがって、
\(x=36-x_{A}-x_{B}\)
これを\(w\)の式に代入して
\(w=x_{A}\cdot x_{B}\cdot \frac{1}{3}(36-x_{A}-x_{B})\)
\(w=\frac{1}{3}\left(36x_{A} \cdot x_{B}-x_{A}^{2} \cdot x_{B}- x_{A} \cdot x_{B}^{2} \right)\) ・・・①
あとは、この\(w\)を最大にするように\(x_{A}\), \(x_{B}\)を定めればよいので、\(w\)を\(x_{A}\), \(x_{B}\)で微分して0とおきます。
①式を\(x_{A}\)で微分して
\(\frac{\partial w}{\partial x_{A}}=\frac{1}{3}(36x_{B}-2x_{A} \cdot x_{B}-x_{B}^{2})=0\)
\(36-2x_{A}-x_{B}=0\) ・・・②
①式を\(x_{B}\)で微分して
\(\frac{\partial w}{\partial x_{B}}=\frac{1}{3}(36x_{A}-x_{A}^{2}-2x_{A} \cdot x_{B})=0\)
\(36-x_{A}-2x_{B}=0\) ・・・③
②式と③式を連立させて、
\(x_{A}=x_{B}=12\)
このとき、
\(y=\frac{1}{3}\times 12=4\)
したがって\(x_{A}=12\), \(y=4\) となるので4が正答となります。