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2021年 国家一般職 ミクロ経済学 No.35

  消費者Aと消費者Bの二人の消費者、そして私的財Xと公共財Yの二つの財からなる経済を考える。消費者AによるX財の消費量を\(x_{A}\),消費者BによるX財の消費量を\(x_{B}\),公共財の消費量を\(y\)とし、また、消費者A、Bの効用水準を、それぞれ\(u_{A}\), \(u_{B}\)とすると
 \(u_{A}=x_{A}\sqrt{y}\)
 \(u_{B}=x_{B}\sqrt{y}\)
で示される。また、当初、経済には消費者Aと消費者Bの私的財だけが合計36存在し、以下の関数に基づき、公共財が私的財から生産される。
 \(y=\frac{1}{3}x\)  (\(x\):私的財の総使用量)
一方、この経済の社会厚生関数\(w\)は、
 \(w=u_{A}\times u_{B}\)
である。\(w\)を最大化するような、(\(x_{A}, y\))の組み合わせとして妥当なのはどれか。

  1. \((x_{A}, y)=(6, 4)\)
  2. \((x_{A}, y)=(6, 6)\)
  3. \((x_{A} ,y)=(6, 8)\)
  4. \((x_{A} ,y)=(12, 4)\)
  5. \((x_{A}, y)=(12, 6)\)

正答4

 \(w\)を最大にする\(x_{A}\)や\( y\)を求めたいのですが、これは\(w\)を\(x_{A}\)や\(y\)で微分して0とおけば求めることができます。

 \(w=u_{A}\times u_{B}\)に\(u_{A}=x_{A}\sqrt{y}\), \(u_{B}=x_{B}\sqrt{y}\)を代入すると
 \(w=x_{A}\sqrt{y} \times x_{B}\sqrt{y}\)
 \(w=x_{A}\cdot x_{B}y\)

 次に\(y=\frac{1}{3}x\)を代入して
 \(w=x_{A}\cdot x_{B} \cdot \frac{1}{3}x\)

また、私的財の総量が36あることより、
 \(x+x_{A}+x_{B}=36\)
となります。したがって、
 \(x=36-x_{A}-x_{B}\)
これを\(w\)の式に代入して
 \(w=x_{A}\cdot x_{B}\cdot \frac{1}{3}(36-x_{A}-x_{B})\)
 \(w=\frac{1}{3}\left(36x_{A} \cdot x_{B}-x_{A}^{2} \cdot x_{B}- x_{A} \cdot x_{B}^{2} \right)\) ・・・①
あとは、この\(w\)を最大にするように\(x_{A}\), \(x_{B}\)を定めればよいので、\(w\)を\(x_{A}\), \(x_{B}\)で微分して0とおきます。
 ①式を\(x_{A}\)で微分して
 \(\frac{\partial w}{\partial x_{A}}=\frac{1}{3}(36x_{B}-2x_{A} \cdot x_{B}-x_{B}^{2})=0\)
 \(36-2x_{A}-x_{B}=0\) ・・・②

 ①式を\(x_{B}\)で微分して
 \(\frac{\partial w}{\partial x_{B}}=\frac{1}{3}(36x_{A}-x_{A}^{2}-2x_{A} \cdot x_{B})=0\) 
 \(36-x_{A}-2x_{B}=0\) ・・・③

②式と③式を連立させて、
 \(x_{A}=x_{B}=12\)
このとき、
 \(y=\frac{1}{3}\times 12=4\)
したがって\(x_{A}=12\), \(y=4\) となるので4が正答となります。
 
 


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公務員試験過去問研究
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