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2021 国家公務員経験者(事務・係長級) No.22

  政策の実施に当たっては,予算だけでなく,スピードも重要となる。そのため,政策案の検討に当たっては,必要となる金額と時間を総合した定量的な評価を行う必要がある。いま,早期解決が望まれる政策課題に対して,政策の実施に必要な準備期間(業務委託先の選定,契約手続等に必要となる期間)の時間的価値を金額に換算した上で,その金額と予算額の和から政策案を評価することを考える。
国民は,政策案A,Bのうち,「準備期間の時間的価値を金額に換算した額」と「予算額」の和(総費用)が小さくなる方の政策案に賛同するものとする。任意回答方式による意識調査の結果,国民全体としては,準備期間1 か月につき,1,000 億円に換算する人から2,000 億円に換算する人まで均等に分布していると仮定できることが分かった。(したがって,この仮定においては,1,000~2,000億円以外の額に換算する人はいない。)これを式として表すと,次のようになる。
    【総費用=(準備期間1 か月当たりの換算額×準備期間)+予算額】
このとき,当該政策課題を解決するための政策案A,Bに関する次の記述のア,イに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「表Ⅰは,政策案A,Bの実施に当たって必要となる準備期間と予算額を試算したものである。
このとき,政策案Aに賛同する国民は全体の( ア )% であると考えられる。
また,政策案Aに賛同する国民が全体の80 % となるためには,表Ⅱのように,政策案Aの予算額を ( イ )億円まで縮減する必要があると考えられる。」

 

   ア   イ
1  50   2,800
2  50   3,600
3  50   4,400
4  60   2,800
5  60   3,600

正答 3

ある換算額\(x\)における総費用は
政策案A 総費用\(=3x+5000\)
政策案B 総費用\(=5x+2000\)
ただし、\(1000≦x≦2000\)
Aに賛同するには政策案Aの総費用の方が小さければよいので
\(3x+5000<5x+2000\)
\(3000<2x\)
\(1500<x\)
したがって
\(1500<x≦2000\)
ある換算額\(x\)(\(1000≦x≦200\))について、存在する人数は同じなので、\(1500<x≦2000\)には全体の半分が存在することになる。したがって、50%の国民がAに賛同することになる。ア=50となる。

つぎにAに賛同する国民が80%になる場合を考える。この時政策Aの予算額を\(a\)とすると政策案Aの総費用は
政策案A 総費用\(=3x+a\)
政策案Aが選択されるための条件は
\(3x+a<5x+2000\)
\(a-2000<2x\)
\(\frac{a}{2}-1000<x\) 
\(1000≦x≦2000\)の中で80%以上のものが賛同するためには\(1200<x\)であればよいので
\(\frac{a}{2}-1000=1200\) 
\(a=4400\)
イは4400である。

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公務員試験過去問研究
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