あるクラスの生徒に国内旅行の経験について尋ねたところ，次のことが分かった。このとき，論理的にいえることとして最も妥当なのはどれか。
○ 札幌と仙台の両方に行ったことがある者は，名古屋に行ったことがない。
○ 全員，京都と広島のどちらかには行ったことがあるが，この両方に行ったことがある者はいない。
○ 札幌に行ったことがない者は，福岡に行ったことがあるか，又は，仙台に行ったことがない。
○ 福岡に行ったことがある者は，名古屋と広島の両方に行ったことがある。
1．札幌と名古屋の両方に行ったことがある者は，仙台に行ったことがある。
2．仙台と京都の両方に行ったことがある者は，福岡に行ったことがない。
3．名古屋か京都の少なくとも一方に行ったことがある者は，福岡に行ったことがない。
4．広島に行ったことがない者は，福岡に行ったことがある。
5．福岡に行ったことがある者は，札幌にも仙台にも行ったことがない。
正答 2
1 誤り。一つ目の条件から、札幌、仙台、名古屋の三つに行ったことがある者はいないことは明らか。
2 正しい。二つ目の条件より、京都に行った者は、広島には行っていないことがわかる。四つ目の条件の対偶をとると、\(\overline{名古屋}∨\overline{広島}→\overline{福岡}\)となるので、広島に行っていなければ、福岡に行ったことがないことがわかる。以上より京都に行ったことのある者は、福岡に行ったことがないので、当然、仙台と京都の両方に行ったことがあるものも、福岡には行ったことはない。
3 誤り。京都に行ったことがある者が福岡に行ったことがないのは、選択肢２で確認済みなので、ここでは、名古屋に行ったことのある者が福岡に行ったことがないか、確認する。一つ目の条件の対偶より、名古屋→\(\overline{札幌}∨\overline{仙台}\)。三つ目の条件より、\(\overline{札幌}→福岡∨\overline{仙台}\)、なので名古屋に行ったことのあるものは、福岡にいった可能性もある。
4 誤り。四つ目の条件の、対偶をとると、\(\overline{名古屋}∨\overline{広島}→\overline{福岡}\) となり、広島に行ったことがなければ、福岡には行ったことはない。
5 誤り。四つ目の条件より、福岡→名古屋、となり、一つ目の条件の対偶より、名古屋→\(\overline{札幌}∨\overline{仙台}\) となる。したがって、福岡に行ったことがあるものは、札幌または仙台には行ったことがない、とは言えるが、札幌にも仙台にも行ったことがない、とはいえない。