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2022 刑務官 No.37

 市場経済に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 市場が少数の企業によって支配されている状況を寡占といい、価格が下がりにくい状態となることがある。これを、価格の下方硬直性という。
  2. 完全競争市場では、一般に、価格が上がると需要量は増加し、供給量は減少する。このように、価格の変化を通して需要量と供給量に差が生じる働きを、価格の自動調節機能という。
  3. 我が国では、不公正な取引や市場の独占を防ぐため独占禁止法が定められ、2021 年末現在一部のカルテルが認められている。同法を運用する組織として、消費者庁が設けられている。
  4. 公園などの公共財は、多くの人が同時に利用できる競合性と呼ばれる性質をもつ。利用者は多くの便益を得られるため、民間企業による供給が望ましいとされている。
  5. 水道などの大きな施設・設備をほとんど必要としない産業では、規模の拡大に伴って生産物の単価が上昇する。これを規模の経済といい、このような産業では自然独占になりやすい。

 初級スーパー・過去問ゼミ社会科学 |高卒程度・社会人向け

正答 1

  1. 正しい。寡占市場では価格競争ではなく、差別化戦略などがとられることが多く、価格の下方硬直性が生じやすい。
  2. 誤り。価格が上がると、需要は減少し、供給は増加する。価格の自動調整機能は需要量を供給量の差を少なくする働きである。
  3. 誤り。消費者庁は消費者を保護するための組織であり、独占禁止法の運用をする組織ではない。独占禁止法の運用をする組織は公正取引委員会である。
  4. 誤り。多くの人が同時に利用できるのは非競合性という性質である。公共財は民間企業では適正な量を供給できないとされている。
  5. 誤り。水道は大きな施設、設備が必要な産業である。こうした産業では規模の経済が働くので、規模の拡大に伴って生産物の単価は下落する。規模の経済性の働く産業は、顧客が多い企業ほど費用面で有利なので、自然独占が生じやすくなる。

 

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公務員試験過去問研究
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