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2022 国家一般職 行政学 No.8

 政策実施に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

  1. 政策実施に関する研究は1980 年代後半に始まり,J.L.プレスマンとA.ウィルダフスキーの著書『実施』では,米国の州政府が独自に決定し実施した金融政策によって州の金融機関が倒産したことに注目し,州政府における政策の実施過程について分析を行った。
  2. 政策実施研究のボトムアップ・アプローチは中央政府の政策立案担当者に注目した研究であり,そこでは,政策決定と政策実施を区分した上で,実施機関や利害関係者といった政策現場のアクターとの交渉による政策内容の変化を分析したものである。
  3. 教員や警察官といった政策の現場で一般市民と接する「第一線職員」は業務に関する専門知識に欠けるため,それらの第一線職員の業務の評価においては,事案の処理件数といった一定の評価基準を設定する方が望ましいことが第一線職員に関する研究では指摘されている。
  4. C.フッドは,規制の違反者の類型化と違反者への対応戦略の類型化を行い,規制措置の実施を知らなかった,あるいは緊急事態等でルールを遵守できなかったという,故意のない違反者に対しては,政府が不利益処分などをする「制裁」という手段よりも,政府が当該規制に関する情報を与える「周知」という手段の方が,違反の抑止に有効であることを指摘している。
  5. 行政指導は行政機関が強制力を伴わない形で事業者や住民を説得する手段であるが,行政手続法では行政指導が明確に定義されていないため,我が国の地方公共団体では行政指導は行われず,法に基づいた命令等によって不利益処分が行われてきたことが北村喜宣によって指摘されている。

正答 4

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公務員試験過去問研究
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