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2022 国家一般職 経営学 No.47

経営組織に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

  1. A.D.チャンドラーは,多数の製品を扱うようになった企業が,事業部制組織から機能別組織を経てマトリクス組織へと移行することにより業績を最大化できることを明らかにし,部門間でやり取りされる資源の重要性や各部門の資源利用への裁量権,特定部門への資源の集中度により定まる部門間の資源依存度に従って最適な組織構造が決まるという資源依存理論を提唱した。
  2. 取引コスト理論においては,取引相手が少数である場合には,企業は相手の事業機会を最優先にすることで自社の利益も高めようとする機会主義的な行動をとるようになるので,取引相手が多数である場合と比べて,裏切りのリスクが低下して契約交渉に要する手間を省くことができるため取引コストが低くなるとされる。
  3. H.サイモンによる組織均衡論においては,組織の参加者とは従業員のことを指し,投資家と顧客は組織の外部環境として扱われる。組織の参加者は組織から誘因を受け取り,その見返りとして組織に対して貢献を行う。組織が存続するために組織の参加者から貢献を確保することができている程度を組織の有効性という。
  4. 組織間のネットワークにおいて,埋め込まれた紐帯と呼ばれるつながりは,信頼やきめ細かい情報のやり取り,協同での問題解決という面で組織にとって有利であり,現状の環境に対する適合度を高めることができるが,埋め込みが過剰になると,新しい情報を獲得しづらくなることなどから組織の適応力が弱まる危険性がある。
  5. J.ガルブレイスは,不確実性を,「組織が既に持っている情報量」と,「活動を行うために必要な情報量」の和であるとした。この不確実性が高い場合には,組織は無用の混乱を避けて必要な情報処理量を減らすために,スラック資源を削減することが有効であるとされる。

正答 4

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公務員試験過去問研究
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