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2022 国家一般職 憲法 No.13

 集会の自由に関する次の記述のうち,判例に照らし,妥当なのはどれか。

  1. 憲法第21 条の保障する「集会」とは,特定又は不特定の多数人が一定の場所において事実上集まる一時的な集合体を指すところ,集会の自由が個人の人格の形成や民主主義社会の維持発展に不可欠な表現の自由の一環であることからすると,同条の集会は,公共的事項を討議し,意見を表明するための集会のみを指し,葬儀や結婚式のような冠婚葬祭のための集会を含まないと解されるから,何者かに殺害された労働組合幹部を追悼するための合同葬はこれに当たらない。
  2. 集会の自由は,公共の安全や他者の権利保護の点からの制約を免れないところ,主催者が集会を平穏に行おうとしているのに,その集会の目的や主催者の思想等に反対する者らが,集会を実力で阻止しようとして紛争を起こすおそれがあることを,市の福祉会館管理条例が定める「会館の管理上支障があると認められるとき」に当たるとして市長が当該会館の利用を拒むことができるのは,警察の警備等によっても混乱を防止することができないような事情がある場合に限られず,警察の警備等が行われることによりその他の当該会館の利用客に多少の不安が生ずる場合をも含むと解すべきである。
  3. 道路における危険を防止し,交通の安全等を図り,及び道路の交通に起因する障害の防止に資するという道路交通法所定の目的の下に,道路使用の許可に関する明確かつ合理的な基準を掲げて不許可とされる場合を厳格に制限した上,道路を使用して集団行進をしようとする者に対し,あらかじめ警察署長の許可を受けさせることとした同法及び県道路交通法施行細則の規定は,表現の自由に対する公共の福祉による必要かつ合理的な制限として憲法上是認される。
  4. 行列行進又は公衆の集団示威運動について,県の公安条例をもって,地方的情況その他諸般の事情を十分考慮に入れ,不測の事態に備え,法と秩序を維持するのに必要かつ最小限度の規制措置を事前に講ずることはやむを得ないから,公安委員会に広範な裁量を与え,不許可の場合を厳格に制限しない一般的な許可制を定めて集団行動の実施を事前に抑制することは,憲法に違反しない。
  5. 公共用財産である皇居外苑の利用の許否は,その利用が公共用財産の公共の用に供せられる目的に沿うものであったとしても皇居外苑の管理権者である厚生大臣(当時)の自由裁量に委ねられることから,メーデーのための皇居外苑の使用許可申請に対して,同大臣が行った不許可処分は,管理権の適正な運用を誤ったものとはいえず,憲法第21 条に違反するものではない。

正答 3

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公務員試験過去問研究
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