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2022 国家一般職 憲法 No.12

憲法第18 条及び第19 条に関するア~オの記述のうち,判例に照らし,妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

ア.裁判員としての職務に従事し又は裁判員候補者として裁判所に出頭することは,それが司法権の行使に対する国民の参加という点で参政権と同様の権限を国民に付与するものであることや,裁判員法等が裁判員の辞退に関し柔軟な制度を設け,加えて,旅費や日当等の支給により負担を軽減するための経済的措置が講じられていること等を考慮すれば,憲法第18 条後段が禁ずる「苦役」に当たらない。

イ.強制加入団体である税理士会が政党など政治資金規正法上の政治団体に金員を寄付することは,それが税理士に係る法令の制定改廃に関する政治的要求を実現するためのものである限り,税理士法で定められた税理士会の目的の範囲内の行為であって,当該政治団体に金員の寄付をするために会員から特別会費を徴収する旨の税理士会の総会決議は,会員の思想,信条の自由を侵害するものではなく,有効である。

ウ.強制加入団体である司法書士会が震災により被災した他県の司法書士会に復興支援のための拠出金を寄付することは,たとえそれが倫理的,人道的見地から実施されるものであっても,司法書士法で定められた司法書士会の目的の範囲外の行為であって,被災した他県の司法書士会に拠出金を寄付するために特別に負担金を徴収する旨の司法書士会の総会決議は,会員の思想,信条の自由を侵害するものであり,無効である。

エ.公立中学校の校長が,その作成する調査書に生徒の外部団体の集会への参加やビラ配布などの活動を記載し,当該調査書を入学者選抜の資料として高等学校に提出したことは,当該調査書の記載の内容から生徒の思想,信条を知ることができ,生徒の思想,信条自体を入学者選抜の資料に供したものと解されることから,憲法第19 条に違反する。

オ.市立小学校の校長が音楽専科の教諭に対して入学式の国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏を行うことを命じた職務命令は,直ちに当該教諭の歴史観ないし世界観それ自体を否定するものではなく,当該教諭に対し特定の思想を持つことを強制したり禁止したりするものでもなく,また,当該職務命令は,小学校教育の目標などを定めた関係諸規定の趣旨にかなうものであるなど,その目的及び内容において不合理であるということはできず,憲法第19 条に違反しない。



1.ア,イ
2.ア,オ
3.イ,ウ
4.ウ,エ
5.エ,オ

正答 2

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公務員試験過去問研究
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