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2022 国家一般職 基礎能力 No.37

 西洋の思想に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. ピコ=デラ=ミランドラは,『デカメロン』で,人間は,神の意志により,無限の可能性を現実のものにすることができるところに人間の尊厳があるとして,人間の運命は神によって定められているという新しい人間観を示した。
  2. エラスムスは,聖書の研究の傍ら,『神曲』で,理性に基づく人間の生き方を探究し,キリスト教の博愛の精神に基づいて,世界の人々の和合と平和を訴えた。代表的なモラリストである彼の思想は,宗教改革の先駆となるものであった。
  3. マキャヴェリは,『君主論』で,君主は,ライオンの強さとキツネの賢さを併せ持って,あらゆる手段を使って人間を統治すべきであると説いた。この主張には,現実に即して人間をありのままに捉えるリアリズムの精神がみられる。
  4. トマス=モアは,『ユートピア』で,当時のヨーロッパ社会について,自由で平等であった自然状態が,自由でも平等でもない文明社会に堕落したと批判した。そこで,自然を理想とする考えを「自然に帰れ」という言葉で表し,この理想の方法として,科学的社会主義を提唱した。
  5. カルヴァンは,伝統的なローマ=カトリックの立場からプロテスタンティズムを批判し,全ての存在は神の摂理によって定められているとした。また,彼は『エセー』で,世俗の労働に積極的に宗教的意味を認める新しい職業倫理が,近代の資本主義の成立につながったと論じた。
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正答 3

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公務員試験過去問研究
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