近年の我が国の社会に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- フリーランスの立場で,インターネットを利用してその都度,単発又は短期の仕事を受注するという働き方や,これによって成り立つ経済の仕組みを「シェアリングエコノミー」という。これに対して,テレワークを通じて顧客から継続的に業務を請け負う個人事業主のことを「ギグワーカー」といい,安定した雇用形態の一つとして注目されている。
- 「巣ごもり消費」とは,インターネット通販などによる,外出が困難な環境下で家の中で生活するための必要最低限な消費を指し,新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛に伴い,初めて使われるようになった。巣ごもり消費の影響の例として,2020 年の百貨店及び家電大型専門店の販売額が前年を下回ったことが挙げられる。
- 近年,「お試し無料」,「初回○円」などをうたい,実際は定期購入を条件とした契約を締結させるといった,定期購入に関する消費生活相談件数が増加している。これを受けて,2021 年,詐欺的な定期購入の取引に対する厳罰化などが盛り込まれた,特定商取引法の改正法が成立した。
- 新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛に伴い,2020 年,我が国の家庭用専用ゲーム機のゲームソフト売上高が,スマートフォン上のゲームアプリのそれを初めて上回った。こうした家庭内でのゲームの利用拡大を受け,国は,18 歳未満の子どものゲーム利用を,平日1 日に60 分,休日は90 分以下とするよう保護者に義務付ける方針を打ち出した。
- 仮想移動体通信事業者(MVNO)とは,移動通信サービスに係る無線局を開設・運用している事業者の通信設備を使用せず,インターネット上の仮想的な通信回線による移動通信サービスを提供する事業者のことである。2020 年,国は,MVNO を増やし携帯電話等の利用料金を下げるため,事業に必要な国への届出を廃止し,新規参入を容易にした。
正答 3
- 誤り。単発で仕事を受ける個人事業主を「ギグワーカー」という。「シェアリングエコノミー」は、人々が所有しているものを貸し合い、収入を得たり、所有せずに利用したりできることをいう。
- 誤り。巣ごもり消費とは、必要最低限の消費ではなく家の中で消費を楽しむことをいう。外出自粛の中でサービス消費は大きく落ち込んだが、家電に関してはほとんど影響を受けなかった。
- 正しい。いわゆるサブスク契約についての規制が盛り込まれた。
- 誤り。条例レベルでは存在するが、国がそのような規制を打ち出したことはない。
- 誤り。新規参入を促しているのは事実であるが、届出を廃止したことはない。