次は,日本国憲法が保障する基本的人権に関する記述であるが,A~Dに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
日本国憲法は,第3 章で基本的人権を保障している。まず,憲法が保障する権利は,大きく自由権,社会権,参政権,( A ) に分けることができる。ただし,憲法第13 条が保障していると考えられている包括的人権としての幸福追求権,及び憲法第14 条の定める法の下の平等は,このような分類にはなじまず,それらと並ぶものとして位置付けられる。
立憲的意味の憲法による人権は,古典的には( B ) の保障を中核にしていた。日本国憲法の人権保障も自由権をその中核としている。自由権は,さらに大きく三つに分けられる。それは,精神の自由,経済の自由,( C ) である。これに対し,国家への請求権としての性格を有する社会権は,資本主義経済が発展する中,憲法に規定されるようになり,団結権・団体交渉権・団体行動権の労働三権もこの権利に含まれる。また,参政権は,選挙などによって国政に直接参加する権利のことで,民主主義の実現のために不可欠である。そして,憲法は,その他にも,( A ) として,( D ) など国家に対して一定の行為を請求する権利を保障している。
A B C D
1.国務請求権 国家からの自由 人身の自由 国家賠償請求権
2.国務請求権 国家からの自由 財産権の保障 教育を受ける権利
3.国務請求権 国家による自由 財産権の保障 環境権
4.生存権 国家からの自由 財産権の保障 環境権
5.生存権 国家による自由 人身の自由 国家賠償請求権
正答 1
国務請求権は受益権とも呼ばれ、請願権、裁判を受ける権利、国家賠償請求権、刑事補償請求権が含まれる。