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2022 国家一般職 国際関係 No.51

 国際政治の理論をめぐる議論に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

  1. 人間の性格は利他的であっても,国際政治は主権国家がそれぞれの国益を追求して形成される権力政治(パワー・ポリティクス)の性格を持つと考える見方を,政治的リアリズムと呼び,第一次世界大戦後の時代の英国の国際政治学において大きな影響力を持った。
  2. 古典的リベラリズムは,国家の主権を制限して国際社会における平和を維持すべきだと考える見方を指す。文化的な相互信頼や,民主主義国は相互に戦争をしないという国際社会論を強調したりする立場も,リベラリズムとして理解される。
  3. 下部構造の経済の在り方が政治や文化を決定すると考えるマルクス主義的な見方は,帝国主義を自由主義の歴史の中で位置づけたV.レーニンや,中心が周辺を従属させていると考える国家中心主義システム論を唱えたI.ウォーラーステインの議論などにみられる。
  4. 社会構成員の間の認識に注目し,規範が行動に与える影響や,規範が形成される過程を強調する見方は,コンストラクティヴィズムと呼ばれる。構造と代理人(エージェント)の相互関係に着目する視点で,国家の対外政策と規範や文化との関係を分析する。
  5. S.ハンチントンは1989 年の東欧諸国の革命を見て,自由民主主義が普遍的なイデオロギーとなったと考えて,「冷戦の終わり」を論じた。これに対して,権威主義体制の勢力の復活によって大国の間で争いが起こり続けるとする「文明の衝突」を主張する見方もある。

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正答 4

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公務員試験過去問研究
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