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2022 国家一般職 民法(債権・親族・相続) No.29

売買に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。ただし,争いのあるものは判例の見解による。

  1. 売買契約において,買主が売主に手付を交付した場合,その交付に当たって当事者が手付の趣旨を明らかにしていなかったときは,交付された手付は,違約手付と推定される。
  2. 売買契約の目的物である土地の一部が他人の所有に属していた場合のように,権利の一部が他人に属する場合であっても,売買契約は有効である。そのため,他人の権利を売買の目的とした売主は,その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
  3. 売買契約において,引き渡された目的物が種類,品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであり,その不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものでない場合,買主は,売主に対し,目的物の修補,代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。その際,売主は,買主が請求した方法によらなければ履行の追完をしたことにはならない。
  4. 売買契約において,引き渡された目的物が種類,品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであり,その不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものでない場合,買主は,売主に対し,その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。その際,買主は,売主が代金全額を受け取る機会を与えるため,必ず相当の期間を定めた履行の追完の催告をしなければならない。
  5. 売買契約において,引き渡された目的物が種類,品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものである場合に,買主の救済手段として,一定の要件の下に,追完請求権や代金減額請求権が認められる。これらは紛争の早期解決を目的とする民法上の特則であるため,買主は,追完請求権や代金減額請求権を行使することができるときは,民法第415 条の規定による損害賠償の請求や同法第541 条の規定による解除権の行使をすることはできない。

正答 2

1 誤り。解約手付と推定される。
2 正しい。他人物売買(一部他人物売買)も有効である。この場合、売主は、売買の対象となった他人の権利を取得して買主に引き渡す義務を負う。
3 誤り。売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
4 誤り。履行不能、売主が履行をしない意思を示した場合など催告不要なケースもある。
5 誤り。追完請求などとは別に損害賠償の請求や契約の解除も可能である。


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公務員試験過去問研究
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