国際社会の変化に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。
- I.ウォーラーステインによると,資本主義経済システムとしての世界システムは,システムの内部に中心・反中心・周辺の三層の空間構造を有しており,世界システムの誕生以来,こうした中心・反中心・周辺に属する国と地域は変動していないとされる。
- 日本に居住する外国人のうち,第二次世界大戦以前から日本に滞在・居住している在日中国人や在日韓国・朝鮮人などをオールドカマー(オールドタイマー)と呼ぶのに対して,戦後,特に1980 年代頃から新たに来日した外国人をニューカマーと呼ぶ。
- プッシュ=プル理論とは,先進社会と発展途上社会との間にある雇用の大きさや賃金の格差よりも,本国のコミュニティと相手国にあるコミュニティを含めた社会的ネットワークが果たす役割に注目することによって,企業が海外投資を行う要因を説明しようとする理論である。
- A.R.ホックシールドのいうグローバルなケア・チェーンとは,原材料の調達から生産,流通,販売,消費に至る世界規模のネットワークを指し,例えば,発展途上社会の労働者が先進社会の企業が所有する現地工場で生産労働に従事することも含まれる。
- B.アンダーソンのリスク社会論によると,富の分配をめぐる対立が紛争の中心となる産業社会に対し,リスク社会では,リスクをいかに分配するかが問題となる。したがって,環境ホルモンなど知覚しにくいものは,分配が困難なため,ここでいうリスクには含まれない。
正答 2