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2022 国家一般職 財政学・経済事情 No.41

 我が国の財政制度に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

  1. 地方交付税は,地方公共団体間にある税収の多寡を調整し,地方公共団体ごとの財源の均衡化を図ることで,地方行政の計画的な運営を保障するためのものである。財政余力の大きい自治体の地方税収の一定割合を,財政余力の小さい自治体に配分する仕組みとなっており,国が一定の使途の制限を設けている。
  2. 建設国債及び赤字国債の発行は,財政法では認められていないため,発行する年ごとに特例公債法を制定する必要がある。また,償還期限が到来した国債の一部を借り換えるための資金を調達するための借換債は,財政法第4 条第1 項ただし書で規定されている。
  3. 予算は,財政民主主義の観点から毎会計年度これを作成し,国会の議決を経なければならないという会計年度独立の原則を採用している。そのため,完成までに数会計年度を要する国の事業についても,その総額を年数で割った毎年度の支出見込額を定め,次年度以降の当初予算又は補正予算に毎年度,組み込む必要がある。
  4. 地方財政健全化法では,地方公共団体の財政の健全性を四つの指標で判定し,それらの報告を義務付け,財政健全化を促す制度を設けている。財政の早期是正措置として,これらの指標のうちいずれか二つが早期健全化基準以上となった場合には,財政再生団体として財政健全化計画を定めなければならない。財政の早期健全化が著しく困難であると認められるとき,財務大臣は必要な勧告をすることができる。
  5. 建設国債及び赤字国債の償還については,発行してから60 年で償還し終えるという60 年償還ルールが採用されている。一方,復興債については,特定の償還財源があるため,60 年償還ルールの適用対象とはなっていない。

正答 5

  1. 誤り。法定5税(所得税、法人税、地方法人税、消費税、酒税)の一定割合を配分する。また、使途に制限はない。
  2. 誤り。建設国債は財政法で認められている。特例公債法の制定が必要なのは赤字国債。財政法4条1項の但し書きは、建設国債についてのもの。
  3. 誤り。会計年度独立の原則ではなく、予算の単年度主義。完成までに数年度を要するものは、継続費として処理され、年割額を決める必要があるが、初年度の予算で全額が担保される。
  4. 誤り。これらの指標のうちいずれか一つが、早期健全化基準以上となった場合は、財政健全化計画を定めなければならないが、財政再生団体となるわけでは無い。財政再生団体は、財政再生計画を定めている団体(健全化基準が財政再生基準にある団体)である。
  5. 正しい。
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