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2022 国家一般職 基礎能力 No.39

 金融の仕組みや働きに関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 流通している貨幣を現金通貨,流通していない貨幣を預金通貨という。現金通貨は,流通規模が預金通貨に比べて大きく,流動性が高いという特徴があり,預金通貨は,当座預金のように預けてから一定期間は引き出せないという特徴がある。
  2. 金本位制度とは,通貨価値を米国が保有する金の量と結び付けることで,通貨価値を安定させるものである。この制度は,不況期に通貨量が増大してインフレーションを引き起こしやすいが,1970 年代に米国のニクソン大統領が金の交換停止を発表するまで,多くの国で採用されていた。
  3. 金融には,銀行などからの借入れによって資金を直接調達する直接金融と,企業が有価証券を発行し金融市場を介して資金を調達する間接金融がある。金融市場には1 日で取引が完了する株式市場などを扱う短期金融市場と, 1 日を越えて取引する手形市場などを扱う長期金融市場がある。
  4. 銀行の主要な業務として,預金として資金を預かる預金業務,株式や社債などの発行引受や販売などを行う為替業務がある。また,最後の貸手として,資金繰りが困難になった企業に資金を供給することで信用創造を行い,社会全体としての資源配分が適正になるよう調整している。
  5. 通貨制度の中心として金融政策を担うのが中央銀行であり,我が国の中央銀行は日本銀行である。日本銀行は,発券銀行として銀行券を独占的に発行したり,銀行の銀行として市中金融機関に資金を貸し出したりするほか,政府の銀行として国庫金の出納なども行う。

正答 5

  1. 誤り。預金通貨も流通している。現金通貨よりも預金通貨の方が流通規模は大きい。預けてから一定期間引き出せないのは定期性預金である。
  2. 誤り。金本位制の場合、通貨価値が金の価値とリンクしているので、インフレーションを起こしにくい。また、戦後はほとんど採用されていない。
  3. 誤り。直接金融と間接金融の説明が逆である。短期金融市場と、長期金融市場は1年間を超えるかどうかであり、1日かどうかで判断するのではない。短期金融市場の例としてはコール市場、CD(譲渡性預金)市場、CP(コマーシャル・ペーパー)市場、国庫短期証券市場、債券現先市場、債券レポ市場などが挙げられる。株式などの証券市場は長期金融市場である。
  4. 誤り。為替業務は振り込みなどである。最後の貸し手とは、破綻しそうになった金融機関に対して中央銀行が貸し付けることをいう。信用創造は、預金通貨が発行される仕組みのことであり、資金繰りが困難になった企業に資金を供給することではない。
  5. 正しい。
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公務員試験過去問研究
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