スポンサーリンク

2022 国家総合職 経済区分 No.11

2期間(第1 期,第2 期)のライフサイクルモデルを考える。経済主体Aの効用関数は以下のように示される。
\(U=\ln c_{1}+\ln \left(\frac{1}{2}c_{2}+\frac{1}{2}(c_{2}-c_{1})\right)\)

ここで,\(c_{1}\),\(c_{2}\) はそれぞれ,第1期,第2期においてこの経済主体が財を消費する量を示している。
また,効用関数\(U \)の第1項\(\ln c_{1}\)は第1期,そして第2項\( \ln \left(\frac{1}{2}c_{2}+\frac{1}{2}(c_{2}-c_{1})\right)=\ln \left(c_{2}-\frac{1}{2}c_{1}\right)\)
は第2 期におけるこの経済主体の効用をそれぞれ表している。
ここで,効用関数は消費の習慣形成仮説に基づいており,第2 期における経済主体Aの効用は,第2期の消費の絶対的水準c2 だけでなく,第1期の消費を基準とした場合に第2期の消費が持つ相対的水準,つまり第2期の消費と第1期の消費との差c2 -c1 にも依存している。
経済主体Aは,第1期に所得\(y_{1} =120\) を,そして第2 期に所得\(y_{2}=220\) を得る。
このモデルにおいて,借入制約はなく,お金を貸し借りする際につく金利は10 % =0.1 とす
る。また,消費財の価格は常に1であるとする。
 経済主体Aは予算制約の下,効用を最大にするように消費を決めるとする。このときの第1 期
の消費c1 はいくらか。
 なお,\(ln x\) は\(x\) の自然対数を示しており,\(\left(\ln f(x)\right)’=\frac{f(x)’}{f(x)}\)である。
1. 90
2. 100
3. 110
4. 120
5. 130

スポンサーリンク

正答 3

予算制約式を作ると

\((120-c_{1})×1.1+220=c_{2}\)より
\(c_{2}=352-1.1c_{1}\)

効用関数より

\(U=\ln c_{1}+\ln \left(\frac{1}{2}c_{2}+\frac{1}{2}(c_{2}-c_{1})\right)\)
\(U=\ln c_{1}+\ln \left(c_{2}-\frac{1}{2}c_{1}\right)\)

これに\(c_{2}\)を代入して

\(U=\ln c_{1}+\ln \left(352-1.1c_{1}-\frac{1}{2}c_{1}\right)\)
\(U=\ln c_{1}+\ln \left(352-1.6c_{1}\right)\)

\(U\)を\(c_{1}\)で微分して0とおくと
\(\frac{U}{c_{1}}=\frac{1}{c_{1}}-\frac{1.6}{352-1.6c_{1}}=0\)
\(3.2c_{1}=352\)

\(c_{1}=110\)

スポンサーリンク
島本昌和をフォローする
スポンサーリンク
公務員試験過去問研究
タイトルとURLをコピーしました