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2022 国家総合職 経済区分 No.9

財市場及び貨幣市場が以下のIS-LM モデルで示される経済について考える。
\(Y =C+ I +G\)
\(C =12 +0.8(Y-T)\)   
\(I =16 – 0.2i\)
\(\frac{M}{P}=Y-i\)

\(Y\):国民所得,\(C\):消費,\(I\):投資,\(G\):政府支出
\(T\):租税,\(i\):利子率,\(M\):名目貨幣残高
\(P\):物価水準
 この経済は初期時点では\(G =T =10,M=100,P =1\) という関係が成立していた。
いま,他の条件を一定として名目貨幣残高\(M\) を\(100\) から\(120\) に増加させたとする。この経済の完全雇用国民所得\(Y_{f}\) は\(130\) であり,均衡国民所得\(Y\) が\(Y_{f}\) を下回る場合には有効需要の原理が成立し,物価水準は変化せず数量調整のみが行われる。しかし,\(Y\) が\(Y_{f}\) を上回る場合には物価水準が調整され,長期的には\(Y_{f}\) に収束する。
このとき,長期的に実現する⑴均衡国民所得及び⑵実質貨幣残高の組合せとして妥当なのはどれか。


  ⑴    ⑵
1. 130   100
2. 130   110
3. 130   120
4. 135   110
5. 135   120

正答 2

短期的な均衡が、完全雇用国民所得を下回った場合は、そのまま調整が進むことは無いが、短期的な均衡が、完全雇用国民所得を上回った場合は、物価が上昇してLM曲線が左にシフトすることにより、完全雇用国民所得に収束するということである。
 したがって、短期的な均衡が完全雇用国民所得を上回るのか下回るのか、または完全雇用国民所得に一致するのかが問題となる。
 まずは、名目貨幣供給量を120にした時の均衡国民所得を求めてみる。

\(Y=C+I+G\)に代入できるもの全て代入すると
\(Y=12+0.8(Y-10)+16-0.2i+10\)
\(0.2Y=30-0.2i\)  IS曲線

また、\(\frac{120}{1}=Y-i\) LM曲線
この二つを連立させると、\(Y=135\)となる。

この場合、題意より、物価Pが上昇して、LM曲線が左にシフトし、完全雇用国民所得が達成されることになる。したがって(1)は\(130\)が正解である。
次に、実質貨幣残高であるが、\(Y=130\)をIS曲線に代入すると、\(i=20\)を得ることができる。これをLM曲線の式に代入すると、\(\frac{M}{P}=130-20\)より、実質貨幣残高\(\frac{M}{P}=110\)となる。

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