X財とY財の二つの財のみを消費する消費者を考える。X財の消費量をx,Y財の消費
量をy とすると,この消費者の効用関数は以下のように示される。
\(u=x^{α}y^{1-α}\) \((0<α<1)\)
X財の初期保有量を\(\overline{x}(>0)\),Y財の初期保有量を\(\overline{y}(>0)\)とする。X財の価格とY財の価格を所与とすると,X財に対する需要とY財に対する需要は,それぞれ両財の価格比率の関数として表される。
価格比率が変化するとき,最適な消費量の組合せ\((x,y)\)の軌跡をとった曲線は「オファー曲線」と呼ばれているが,この消費者のオファー曲線を表す式として妥当なのはどれか。
1. \(y=\frac{(1-α)\overline{y}x}{x-α\overline{x}}\)
2.\(y=\frac{\overline{y}(x-α\overline{x})}{(1-α)x}\)
3.\(y=\frac{\overline{y}(x-(1-α)\overline{x})}{αx}\)
4.\(y=\frac{\overline{y}\overline{x}}{x-(1-α)\overline{x}}\)
5.\(y=\frac{α\overline{y}x}{x-(1-α)\overline{x}}\)
正答 1
オッファー曲線(価格消費曲線)は、ある価格比の下での最適消費点の集合である。したがって、X財価格を\(p_{x}\), Y財価格を\(p_{y}\)として、まず、最適消費点を求める方法で計算をする。最適消費点を求めるには、効用関数がコブ=ダグラス型なので、公式を使っていく。
この消費者の予算制約式は次のようになる。
\(p_{x}x+p_{y}y=p_{x}\overline{x}+p_{y}\overline{y}\)
この時この消費者は、\(p_{x}\overline{x}+p_{y}\overline{y}\) を \(α:1-α\)の比で、X財とY財に支出する。
したがって、
\(p_{x}x=α(p_{x}\overline{x}+p_{y}\overline{y})\) ・・・①
\(p_{y}y=(1-α)(p_{x}\overline{x}+p_{y}\overline{y})\) ・・・②
①式より、
\((x-α\overline{x})p_{x}=αp_{y}\overline{y}\)
\(\frac{p_{x}}{p_{y}}=\frac{α\overline{y}}{x-α\overline{x}}\) ・・・③
②式より、
\((y-(1-α)\overline{y})p_{y}=p_{x}(1-α)\overline{x}\)
\(\frac{p_{x}}{p_{y}}=\frac{y-(1-α)\overline{y}}{(1-α)\overline{x}}\)・・・④
③④より、
\(\frac{α\overline{y}}{x-α\overline{x}}=\frac{y-(1-α)\overline{y}}{(1-α)\overline{x}}\)
これを\(y\)について解くと\(y=\frac{(1-α)\overline{y}x}{x-α\overline{x}}\)
正答は1である。