新古典派の投資理論の枠組みで考える。ある財を生産する企業のt 期における資本ストックが\(K_{t}\) のとき資本の限界生産性MPKは\(\frac{4}{\sqrt{K_{t}}}\)である。また、t期の望ましい資本ストックを\(K_{t}^*\)、資本減耗率を\(d\)とすると,t期の粗投資\(I_{t}\)は,\(I_{t}=K_{t}^{*}-(1-d) K_{t-1}\)である。
また,t-1 期において,利子率は15 %,資本減耗率は5 % であり,資本ストックは望ましい水準にあった。
いま,t 期において資本減耗率に変化はなく,利子率が5 % に低下した。t 期においても資本ストックを望ましい水準にする場合のt 期における粗投資\(I_{t}\) はいくらか。
ただし,財の価格及び資本ストック1 単位当たりの価格はともに1 であるとする。
1. 1220
2. 1270
3. 1320
4. 1370
5. 1420
正答 1
まず、第t-1期の望ましい資本ストックを求める。望ましい資本ストックは
\(MPK=\)利子率+資本減耗率
を満たすように決まる。
したがって、
\(\frac{4}{\sqrt{K_{t-1}}}=0.15+0.05\)
\(0.2\sqrt{K_{t-1}}=4\)
\(\sqrt{K_{t-1}}=20\)
\(K_{t-1}=400\)
第t期の望ましい資本ストックは
\(\frac{4}{\sqrt{K_{t}}}=0.05+0.05\)
\(0.1\sqrt{K_{t}}=4\)
\(\sqrt{K_{t}}=40\)
\(K_{t}=1600\)
以上より第t期の投資を求めると
\(I_{t}=1600-(1-0.05) ×400\)
\(I_{t}=1600-0.95×400=1220\)