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2022 特別区Ⅰ類(事務) マクロ経済学 No.26

 次の図Ⅰ及び図Ⅱは、2つの異なるモデルについて縦軸に利子率を、横軸に国民所得をとり、IS曲線とLM曲線を描いたものであるが、それぞれの図に関する以下の記述において、文中の空所A~Dに該当する語又は語句の組み合わせとして、妥当なのはどれか。

 図Ⅰのように、LM曲線がIS曲線と交わる部分では水平になる状況は「流動性のわな」といわれ、ケインズの流動性選好理論によれば、一定限度まで利子率が( A )することで貨幣需要の利子弾力性が( B )となるため、金融政策は無効である。
 図Ⅱのように、LM曲線が垂直になる状況では、政府支出を増加させると、国民所得は( C )が、利子率は( D )するという「100%クラウディング・アウト」が起こる。
   A   B     C     D 
1 下落  無限大  変化しない  上昇
2 下落  無限大  増加する   下落
3 上昇  無限大  変化しない  上昇
4 上昇  ゼロ   増加する   下落
5 上昇  ゼロ   変化しない  上昇

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正答 1

LM曲線が水平となるのは、その水準では利子率が低すぎるため、人々が債券を買おうとせず貨幣で資産を保有しようとするのが理由である。利子率が低すぎるので、債券を保有する魅力がないのである。債券市場では債券に対する需要が無いので、それ以上債券価格が上昇することは無く、利子率が下落しないため、LM曲線は水平となる。したがってAは「下落」、Bは「無限大」となる。

LM曲線が垂直となるのは、「古典派のケース」とも呼ばれ、貨幣需要が利子率に反応しないケースである。LM曲線は完全雇用国民所得水準で垂直となる。古典派のケースでは、利子率は貯蓄と投資を等しくするような水準で決まる(貸付資金説)。政府支出を増加させると利子率は上昇するが国民所得は完全雇用国民所得水準のまま変化しない。したがってCは「変化しない」、Dは「上昇する」が正解である。

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公務員試験過去問研究
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