民法に規定する債権の譲渡に関するA~Dの記述のうち、通説に照らして、妥当なものを選んだ組合せはどれか。
A 債権譲渡は、従前の債権が消滅して同一性のない新債権が成立する更改と異なり、債権の同一性を変えることなく、債権を譲渡人から譲受人に移転する契約である。
B 譲渡を禁止する旨の意思表示がされた金銭の給付を目的とする債権が譲渡され、その債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託した場合には、供託をした債務者は、譲渡人に供託の通知をする必要はない。
C 債権が譲渡された場合において、その意思表示の時に債権が現に発生していないときは、譲受人は、債権が発生した後に債務者が承諾をしなければ、当該債権を取得することができない。
D 現に発生していない債権を含む債権の譲渡は、確定日付のある証書によって、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
1 A B
2 A C
3 A D
4 B C
5 B D
正答 3
A:正しい。
B:誤り。債務者は、供託をした場合は遅滞なく、譲渡人、譲受人に供託の通知をする必要がある。
C:誤り。現に発生していない債権も譲渡可能であり、債務者に債権譲渡を対抗するには通知または承諾が必要である。その後、現実に債権が発生した場合には、譲受人は当然にその債権を取得する。債権発生後の債務者の承諾は必要とされていない。
D:正しい。債権譲渡を第三者に対抗するには、通知または承諾が必要である。