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2022 特別区Ⅰ類(事務) 民法 No.18

 民法に規定する不当利得に関する記述として、判例、通説に照らして、妥当なのはどれか。

  1. 善意で法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。
  2. 債務の弁済として給付をした者は、その時において、債務の存在しないことを過失によって知らなかったときには、その給付したものの返還を請求することができる。
  3. 債務者が、錯誤によって、期限前の債務の弁済として給付をしたときには、不当利得とはならず、債権者に対し、債権者が給付により得た利益の返還を請求することができない。
  4. 債務者でない者が、錯誤によって、債務の弁済をした場合において、債権者が善意で時効によってその債権を失ったときには、その弁済をした者は、返還の請求をすることができる。
  5. 不法原因給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができず、また、給付を受けた不法原因契約を合意の上解除し、その給付を返還する特約をすることは、無効である。

正答 2

  1. 誤り。その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。受けた利益に利息を付して返還しなければならないわけでは無い。
  2. 正しい。
  3. 誤り。債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければならない
  4. 誤り。債務者でないものが、錯誤で返済をしてしまったのち、善意の債権者が時効によって債権を失った場合、債権者は債務者に請求することができなくなる。このような場合は、錯誤で弁済した者は、返還の請求ができない。
  5. 誤り。公序良俗に反してされた給付は返還を求めることはできない。しかし、返還自体は互いの合意によって可能なので、不法原因契約を合意解除して、返還の特約をすること自体は有効である。
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公務員試験過去問研究
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