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2022 特別区Ⅰ類(事務) 民法 No.19

 民法に規定する不法行為に関する記述として、判例、通説に照らして、妥当なのはどれか。

  1. 不法行為の成立には、その行為によって損害が発生したことが必要となるが、この損害とは、財産的な損害であり、精神的な損害などの非財産的損害は含まない。
  2. 緊急避難とは、他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず行う加害行為であり、その加害行為をした者は損害賠償の責任を負わない。
  3. 最高裁判所の判例では、不法行為による損害賠償額を過失相殺するには、被害者に責任能力がなければならず、被害者が未成年者である場合には、その過失は一切斟酌されないとした。
  4. 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、行為者間に共同の認識がなくても、客観的に関連共同している場合には、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。
  5. 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が、損害及び加害者を知った時から3 年間行使しないときには、時効によって消滅し、不法行為の時から20年間行使しないときも、同様である。

 

正答 4

  1. 誤り。精神的な損害も含まれる。
  2. 誤り。これは正当防衛の説明である。緊急避難は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合には、損害賠償の責任を負わないとするものである。
  3. 誤り。未成年者であっても、過失相殺を適用するには、事理を弁識する能力が備わっていれば足りるとしている。未成年者であれば、過失が一切斟酌されないとするのは誤りである。
  4. 正しい。
  5. 誤り。人の生命又は身体を害する不法行為のケースは3年でなく、5年間である。
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公務員試験過去問研究
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