マンデル=フレミング・モデルを仮定した小国開放経済に関するA~Dの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
A 固定相場制の下では、政府支出の拡大を行うと、自国利子率に対して上昇圧力が掛かるが為替介入によってハイパワードマネーが減少するため、産出量は変化しない。
B 固定相場制の下では、マネーサプライの増加を行うと、自国利子率に対して上昇圧力が掛かるが、資本の流出が発生するため、産出量は増加する。
C 変動相場制の下では、政府支出の拡大を行うと、自国通貨の増価を通じて純輸出が減少するため、産出量は変化しない。
D 変動相場制の下では、マネーサプライの増加を行うと、自国通貨の増価を通じて純輸出が減少するため、産出量は変化しない。
1 A、B
2 A、D
3 B
4 C
5 C、D
正答 4
A 誤り。政府支出の拡大を行うと、利子率の上昇圧力がかかり、為替市場では自国通貨が増価を始める。固定相場制の下では、為替市場において自国通貨を供給し為替相場を固定する必要がある。つまり、為替介入によってハイパワードマネーは増加する。また、そうしたハイパワードマネーの増加により、LM曲線も右にシフトするので、産出量は増加することになる。
B 誤り。マネーサプライの増加を行うと、LM曲線が右にシフトするため自国利子率に関しては下落の圧力がかかる。このため、為替市場では自国通貨が減価を始めるが、固定相場制の下では為替市場に介入して自国通貨を回収する必要がある。このためハイパワードマネーが減少し、LM曲線が左にシフトし、産出量が増加しない。
C 正しい。
D 誤り。マネーサプライの増加を行うと、利子率に下落圧力が掛かり、為替レートが減価する。そのため純輸出が増加して、IS曲線が右にシフトするため、産出量は増加する。
以上より正しいのはCのみなので、4が正解となる。