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2023 国家一般職 基礎能力 No.40

第二次世界大戦後の我が国の経済に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 終戦直後に政府が傾斜生産方式を採用したことで、家電製品、機械、自動車などの輸出が増加した。その結果、日本の貿易黒字額が急速に膨らんで日米貿易摩擦が生じたため、シャウプ勧告がなされ、日米間でドル高の是正と政策協調が合意された。
  2. 1950 年代初頭に勃発した朝鮮戦争により、狂乱物価と呼ばれる激しいインフレーションと不況が同時に進行するスタグフレーションが起こり、朝鮮戦争開始翌年の実質経済成長率は戦後初めてマイナスを記録した。
  3. 1950 年代半ばから、神武景気、岩戸景気、オリンピック景気、いざなぎ景気という大型景気が相次ぎ、高度経済成長と呼ばれる急速な経済成長を遂げた。また、1960 年代後半には国民総生産(GNP)が資本主義国で米国に次いで第2 位になるなど、経済大国の仲間入りをした。
  4. 日銀の金融引締めや政府による不動産融資の総量規制などによって、1980 年代後半には地価や株価が本来の価値以上に急上昇するバブル経済が発生した。バブル経済が崩壊すると、1990年代後半にはマイナス金利などの金融緩和策が導入された。
  5. 1990 年代後半に発足した小泉内閣により、省エネルギー技術の開発や経営合理化など、「小さな政府」を目指す構造改革が行われた。この結果、株価や実質経済成長率が上昇してバブル経済当時の水準に戻るなど、日本経済は復活の兆しを見せた。

正答 3

  1. 誤り。貿易摩擦や、政策協調は1980年代頃の話であり、終戦直後ではない。シャウプ勧告は税制に関するものである。
  2. 誤り。物価狂乱は1970年代のオイルショックのころの出来事である。また朝鮮戦争による特需では景気は大きく回復した。
  3. 正しい。
  4. 誤り。金融引き締めや総量規制でバブルは崩壊した。マイナス金利政策の導入は2016年である。ゼロ金利政策ならば1999年。
  5. 誤り。株価はバブルの水準には戻っていない。また小さな政府とは政府の合理化であり、経営合理化や省エネルギー政策は関係ない。


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