複占市場において、企業Aおよび企業Bの二つの企業が同質の財を生産しており、各企業の費用関数は以下のように与えられる。
\(C(x_{i}) =2x_{i}\) (\(x_i\):各企業の生産量、\(i=A、B\))
また、この経済における財の需要量\(Q\)(=企業\(A\)と企業\(B\)の生産量の和)と価格Pの関係が以下のように与えられる。
\(P=14-Q\)
企業\(A\)が先導者、企業\(B\)が追随者としてそれぞれ生産量を決定するときの、シュタッケルベルグ均衡における企業\(A\)の利潤として最も妥当なのはどれか。
1 16
2 18
3 24
4 32
5 36
正答 2
均衡では、\(Q=x_{A}+x_{B}\)となるから需要曲線を
\(P=14-x_{A}-x_{B}\)
とおく。
シュタッケルベルグ均衡では、先導者は追随者の反応関数を知ったうえで行動する。したがって、まず追随者の反応関数を求めよう。
企業Bの利潤関数は
\(π_{B}=Px_{B}-2x_{B}\)
需要曲線を代入して
\(π_{B}=(14-x_{A}-x_{B} ) x_{B}-2x_{B}\)
\(π_{B}=14x_{B}-x_{A} x_{B}-x_{B}^2-2x_{B}\)
企業Bは利潤が最大になるように\(x_{B}\)を決めるはずなので、\(π_{B}\)を\(x_{B}\)で微分して0とおくと
\(\frac{∂π_B}{∂x_B}=12-x_{A}-2x_{B}=0\)
\(x_{B}=-\frac{1}{2} x_{A}+6\) :企業Bの反応関数
次に企業Aの利潤関数を作る。
\(π_{A}=Px_{A}-2x_{A}\)
需要曲線を代入して
\(π_{A}=(14-x_{A}-x_{B} ) x_{A}-2x_{A}\)
ここで、企業Aは企業Bの反応関数を知ったうえで行動するので、企業Bの反応関数を代入すると
\(π_{A}=(14-x_{A}+\frac{1}{2} x_{A}-6) x_{A}-2x_{A}\)
\(π_{A}=6x_{A}-\frac{1}{2} x_{A}^2\)
企業Aは利潤を最大にするように生産量を決めるので\(π_{A}\)を\(x_{A}\)で微分して0とおくと
\(\frac{dπ_{A}}{dx_{A}}=6-x_{A}=0\)
\(x_{A}=6\)
企業Aの利潤は利潤関数に代入して
\(π_{A}=18\)