次の図は、 2 人の消費者A、BとX財、Y財の 2 つの財からなる交換経済のエッジワースのボックス・ダイアグラムである。図において、横軸と縦軸の長さは、それぞれX財とY財の全体量を表す。図中のU 1 、U 2 、U 3 は消費者Aの無差別曲線、V 1 、V 2 、V3 は消費者Bの無差別曲線、WW は契約曲線、TT は予算制約線、g点は消費者の初期保有点をそれぞれ表している。この図の説明として妥当なのはどれか。
- a点では、Aの2 財の限界代替率は、Bのそれより小さく、X財、Y財をより多くAに配分すれば、配分の効率性は増加する。
- b点は競争均衡において達成される配分であるから、a点、c点より配分の効率性の観点から望ましい配分である。
- d点はパレート最適な配分ではあるが、A、Bの限界代替率は必ずしも等しくない。
- e点からc点への移行はパレート改善ではないが、g点からb点への移行はパレート改善である。
- f点と比較すると、a点、b点、c点はいずれも配分の効率性の観点から望ましい配分である。
正答 4
1 誤り。a点はパレート最適な点であり、AとBの限界代替率は等しくなっている。
2 誤り。a点、b点、c点のいずれもパレート最適な点であり、効率的である。この3つに優劣はない。
3 誤り。パレート最適な点であれば、AとBの限界代替率は等しくなる。
4 正しい。次のようにe点を通る無差別曲線を描いてみるとわかりやすいが、e点の配分から、c点の配分に移行するとBの効用が下がってしまうので、パレート改善とはならない。
g点からb点への移行はAもBも効用が上がるのでパレート改善である。
5 誤り。f点からa点、b点へ移行する場合はパレート改善であるので、a点、b点はf点よりも望ましいといえるが、c点への移行はBの効用が下がってしまうのでパレート改善とはならない。