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2023 特別区Ⅰ類(事務) ミクロ経済学 No.23

ある独占企業が、市場をAとBの2つに分割し、同一財にそれぞれの市場で異なる価格をつけて販売する場合において、それぞれの市場における需要曲線が、
\(D_{A}=24-P_{A}\)
\(D_{B}=32-2P_{B}\)
\(D_{A}\):A市場における需要量、\(P_{A}\):A市場における価格
\(D_{B}\):B市場における需要量、\(P_{B}\):B市場における価格
で示されるとする。
この企業の総費用曲線が、
\(TC=28+X^{2}\)
\(TC\):総費用、\(X\):生産量
として示されるとき、それぞれの市場における利潤が最大となる価格の組み合わせとして、妥当なのはどれか。ただし、この財の市場間での転売はできないものとする。

     A市場   B市場
1    5      2
2   10      4
3   13      9
4   14      14
5   19      15

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正答 5

利潤関数を作り、利潤を最大にするそれぞれの市場への供給量を計算してみよう。
企業の市場Aへの供給量を\(x_{A}\)、市場Bへの供給量を\(x_{B}\)とすると、均衡では\(D_{A}=x_{A}、D_{B}=x_{B}、X=x_{A}+x_{B}\)となるので、利潤関数は次のようにおける。

\(π=P_{A}x_{A}+P_{B}x_{B}-28-(x_{A}+x_{B})^{2}\)

ここで、需要関数より
\(P_{A}=-D_{A}+24\)
\(P_{B}=-\frac{1}{2}D_{B}+16\)
これを代入すると
\(π=(-x_{A}+24)x_{A}+\left(-\frac{1}{2}x_{B}+16\right)x_{B}-(x_{A}+x_{B})^{2}\)
\(π=-x_{A}^2+24x_{A}-\frac{1}{2}x_{B}^{2}+16x_{B}-x_{A}^{2}-2x_{A}x_{B}-x_{B}^2\)
\(π\)を最大にする\(x_{A}\)を求めるために、\(π\)を\(x_{A}\)で微分して0とおくと、

\(\frac{∂π}{∂x_{A}}=-2x_{A}+24-2x_{A}-2x_{B}=0\)
\(-4x_{A}-2x_{B}+24=0\)・・・①
同様に\(x_{B}\)で微分して0とおくと
\(\frac{∂π}{∂x_{B}}=-x_{B}+16-2x_{A}-2x_{B}=0\)
\(-3x_{B}-2x_{A}+16=0\)・・・②

あとは①と②の連立方程式を解くと
\(x_{A}=5\)
\(x_{B}=2\)
これを需要曲線に代入して
\(P_{A}=19\)
\(P_{B}=15\)

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