行政学の学説に関する次の記述のうち、最も妥当なのはどれか。
- P.アップルビーは、第一次世界大戦中に出版された『政策と行政』において、行政と政治過程の関係について論じた。彼は、議会が政策を決定し、行政はその政策を実施することに特化した組織であるため、政治過程から切り離し、実施機能に特化して分析する必要性を指摘した。
- M.ウェーバーは、1911 年に出版された『政党社会学』において、支配を正当化する根拠は何かという命題に基づき、支配の三つの類型を示した。その一つである「カリスマ的支配」とは、正当性は家系といった歴史的に形成される神聖さに基づくものであり、いわゆる威信によって支配が行われるとした。
- P.ダンリーヴィーは、官僚の行動原理について、従来の予算極大化モデルとは大きく異なる「組織形整モデル」(bureau‒shaping)を提示した。このモデルではエリート官僚は予算が減少することとなっても、魅力的な仕事という目的に適合するような組織形態を追求するとされ、イギリスのサッチャー政権下ではエージェンシー制度が導入された。
- C.フリードリッヒは、行政官の責任について、機能的責任と政治的責任という二つを指摘した。機能的責任とは技術的・科学的知識に基づいた行動を取ることであり、主に行政官自身の自負心によって統制されるものであるとした。一方、政治的責任とは市民感情に基づいた行動を取ることであり、市民の代表である議会が直接統制するものであるとした。
- E.メイヨーらの研究チームは、ホーソン工場での実験によってインフォーマル組織という組織形態を発見した。インフォーマル組織は職場と無関係の人間によって形成され、職場の生産性に悪影響を及ぼすため、メイヨーらはインフォーマル組織を排除することの必要性を指摘した。
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正答 3