労働基本権に関する次の記述のうち、最も妥当なのはどれか。ただし、争いのあるものは判例の見解による。
- 労働基本権は、国に対して労働者の労働基本権を保障する立法その他の措置を要求する権利という社会権としての性質と、労働者の団結や争議行為を制限する立法その他の措置を国に対して禁止するという自由権としての性質を有している。また、労働基本権は、国との関係だけでなく、私人間の関係においても直接適用される。
- 労働組合が地方議会議員選挙の際にいわゆる統一候補を決定し、組合を挙げてその選挙運動を推進している場合には、組合が、統一候補以外の組合員で立候補しようとする者に対し、立候補を思いとどまるよう勧告し又は説得することはもちろん、立候補を取りやめることを要求し、これに従わないことを理由に同人を統制違反者として処分することも、組合の統制権の範囲内のものとして認められる。
- いわゆる安保反対闘争のような活動は、直接的には国の安全や外交等の国民的関心事に関する政策上の問題を対象とする活動であるが、究極的には労働者の生活利益の維持向上と無縁ではないのであるから、労働組合がその活動を実施するために臨時組合費を徴収することを多数決によって決定した場合には、組合員はこれを納付する義務を負う。
- 憲法第28 条は労働者がストライキなどの争議行為を行う権利を保障しているところ、労働組合が同条によって保障される正当な争議行為を行った場合、刑事責任は免責されるが、民事上の債務不履行責任や不法行為責任は免責されない。
- 国家公務員についての人事院勧告制度は、国家公務員の労働基本権の制約が違憲とされないための重要な条件であって、その実施の凍結は極めて異例な事態といわざるを得ないから、国家公務員が凍結された人事院勧告の完全実施を求めて争議行為を行った場合、その者に対する懲戒処分は、懲戒権者の裁量権を濫用したものとして、原則として違法となる。
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正答 1