情報の非対称性に関するA~Dの記述のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
A モラル・ハザードは、その名の通り、個人の道徳心の変化による非合理的な経済行動の結果、生じる問題である。例えば、労働市場において、企業が労働者の努力水準を観察できる場合であっても、労働者が怠ける恐れがあるため、モラル・ハザードが生じる。
B 契約理論においては、株主がプリンシパル(依頼人)、経営者がエージェント(代理人)に位置付けられている。両者が持つ情報に関して非対称性が存在する場合、株主が努力し、自ら率先して仕事をする方が得であるような仕組みにすることで、パレート効率的な均衡を達成することができる。
C 中古車市場において、買い手が中古車の品質を判定できないため、品質の良い車が市場から排除され、品質の悪い車のみが市場に残ることは、逆選択(逆淘汰)の例であり、逆選択によって最終的に市場が成立しなくなることもある。
D 私的情報を持つものが、情報を持たないものに対してその情報を明らかにするため、外部から観察できる行動をとることをシグナリングという。例えば、ある労働者が、能力を企業に認めてもらうことによって高い賃金を得るために、努力コストを払って高い学歴を得ることは、シグナリングの例である。
1 A、B
2 A、C
3 B、C
4 B、D
5 C、D

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正答 5
A 誤り。企業が労働者の努力水準を観察できるのであれば、モラル・ハザードを起こさないように対策をすることが可能である。
B 誤り。株主ではなく、株主から経営を委任された経営者がモラル・ハザードを起こすことなく仕事に取り組む仕組みにすることが重要である。
C 正しい。
D 正しい。