市民の意識・価値観に関する次の記述のうち、最も妥当なのはどれか。
- P.ラザースフェルドらコロンビア大学の研究者は、1950 年代の米国大統領選挙時の調査に基づき、政党帰属意識が有権者の投票行動を強く規定していると論じた。その後、ミシガン大学の研究者により、政党帰属意識は成人後の経験によって短期的に大きく変化する不安定な政治意識であることが実証された。
- E.フロムは『自由からの逃走』において、20 世紀前半にスターリニズムを支持したロシア人特有の社会的性格を「権威主義的性格」と呼んだ。T.アドルノは権威主義的性格の度合いを「F尺度」という指標を用いて測定し、学校や家庭における甘やかしが権威主義的性格の形成につながっていると論じた。
- G.アーモンドとS.ヴァーバは『現代市民の政治文化』において、「未分化型」「臣民型」「参加型」という三つの政治文化の類型を示し、5 か国の政治文化を調査に基づき分析した。彼らは、米国や英国のような、3 類型の政治文化が混在した「市民文化」の存在する国で民主主義は安定しやすいと主張した。
- R.イングルハートは、国内秩序の維持や政治参加を重視する価値観を「物質主義的価値観」、言論の自由や環境保護を重視する価値観を「脱物質主義的価値観」と呼んだ。彼によると、1970年代の欧米では、高齢世代ほど戦争や公害の被害を受けた経験を持つため、若者世代と比べ、脱物質主義的価値観を持つ者の比率が高かった。
- 5.R.パットナムは、イタリアにおける州政府のパフォーマンスの違いを「社会関係資本」、すなわち道路や上下水道といった公共施設の充実度によって説明した。彼によれば、社会関係資本の豊かな地域では経済発展が進む一方、伝統社会が崩壊する結果、住民間の信頼関係が損なわれてしまう。
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正答 3