効用が最大になるようにX財とY財の二つの財の消費の組み合わせを決定するある消費者を考える。この消費者は、図の予算制約(1)と予算制約(2)において、点A~Eの五つの中からそれぞれ一つずつの点を選ぶものとする。
この消費者の効用に関する次の記述のうち、最も妥当なのはどれか。ただし、顕示選好の弱公理が成立しているとする。

- 予算制約(1)のときに点Aが、予算制約(2)のときに点Bが選ばれた。このとき、点Aにおける効用は点Bにおける効用より必ず高いといえる。
- 予算制約(1)の時に点Aが、予算制約(2)のときに点Cが選ばれた。このとき、点Aにおける効用は点Cにおける効用より必ず高いといえる。
- 予算制約(1)のときに点Aが、予算制約(2)のときに点Eが選ばれた。このとき、点Eにおける効用は点Aにおける効用より必ず高いといえる。
- 予算制約(1)のときに点Dが、予算制約(2)のときに点Cが選ばれた。このとき、点Dにおける効用は点Cにおける効用より必ず高いといえる。
- 予算制約(1)のときに点Eが、予算制約(2)のときに点Cが選ばれた。このとき、点Eにおける効用は点Cにおける効用より必ず高いといえる。

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正答 1
- 正しい。予算制約(1)のときには点Aも点Bも選択可能であるのにかかわらず、点Aを選んだということは、点Aの方が点Bよりも効用が高い。予算制約(2)のときは点Aは選べないので、点Bを選んだとしても行動に矛盾はない。
- 予算制約(1)のときには点Cは選びようがないので、その時に点Aを選んだとしても、点AとCでどちらが効用が高いかはいえない。同様に予算制約(2)のときは、点Aは選びようがないので点Cを選んだとしても行動に矛盾はない。
- 予算制約(1)のときは点Aも点Eもどちらも選択可能である。この時に点Aを選んだのであれば、点Aの方が点Eよりも効用が高いといえる。予算制約(2)のときは点Aは選択不可能であるので、点Eを選んだとしても行動に矛盾はない。
- 予算制約(1)のときに点Dを選んだとすると、点Dは点A、B、D、Eより効用が高いといえる。予算制約(2)のときに点Cを選んだ場合、点Cは点B、D、Eより効用が高いとはいえる。しかし、点Dの効用が点Cより高いとはいえない。
- 予算制約(1)のときには、点Cは選びようがないので、点Cを選んだからといって、点Eの方がCよりも効用が高いとはいえない。予算制約(2)のときには、点EもCも選べるがCを選んだというのであれば、点Cの方が点Eよりも効用が高い。