自由主義に関する次の記述のうち、最も妥当なのはどれか。
- J.ラギーは、第一次世界大戦後における先進民主主義国の自由主義経済体制を「埋め込まれた自由主義」と特徴付けた。この体制の下で、各国は、国内的には規制緩和や福祉削減を進めるなど経済的自由主義を徹底させた一方、国際的には保護貿易体制を志向し、国内産業の保護に努めた。
- J.S.ミルは、『自由論』において、他者に関わる行為はもちろん、自分自身にのみ関わる行為であっても、過度な飲酒といった自傷行為が行われている場合には、政府はその個人に対し積極的に干渉すべきだと主張した。また、彼は、選挙権の拡大には強い警戒感を示し、男女普通選挙の導入に反対した。
- I.バーリンは、自由という概念に干渉の不在と自己支配という二つの意味が含まれるとし、それぞれ消極的自由、積極的自由と呼んだ。その上で彼は、積極的自由の追求は、フランス革命時に見られたような個人的自由への厳しい制限に結び付きかねないとし、消極的自由を擁護した。
- R.ノージックは、『アナーキー・国家・ユートピア』において無政府主義思想を展開した。彼によれば、個々人は自身の身体や財産について自由に扱う権利を持っており、国家による徴税はその侵害に当たる。したがって、彼は、J.ロールズの擁護した福祉国家はもちろん、夜警国家的な最小国家の存在も批判した。
- 我が国では、1980 年代に第二次臨時行政調査会が設置され、自由主義的改革が推進された。その成果として、大平正芳内閣の時、日本電信電話公社の民営化が実施された。その後、中曽根康弘内閣の時、日本国有鉄道が民営化され、国立大学法人法が成立するなどエージェンシー制度の導入が進んだ。
模擬面接、面接カード対添削、国家一般職合格に向け充実のサポート体制。
正答 3