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2024 国税専門官 経済学 No.26

資本移動が完全である小国開放経済の下で、マンデル=フレミング・モデルにおける財政政策や金融政策の効果について、下図を用いて考える。これに関する次の記述のうち、最も妥当なのはどれか。

  1. 変動相場制の下で拡張的な財政政策が行われた場合、IS 曲線が左方にシフトする。これにより利子率が低下し、自国の為替レートが減価するものの、LM 曲線はシフトしないため、新しい均衡点における国民所得の水準は当初の水準よりも小さくなる。
  2. 変動相場制の下で緩和的な金融政策が行われた場合、LM 曲線が右方にシフトする。これにより利子率が低下し、自国の為替レートが減価する圧力がかかるものの、中央銀行が為替レートを元の水準に維持するために緊縮的な金融政策を行うため、LM 曲線が左方にシフトする。よって、新しい均衡点における国民所得の水準は当初の水準と同じになる。
  3. 変動相場制の下で緩和的な金融政策が行われた場合、LM 曲線が右方にシフトする。これにより利子率が低下し、自国の為替レートが減価するものの、IS 曲線はシフトしないため、新しい均衡点における国民所得の水準は当初の水準よりも大きくなる。
  4. 固定相場制の下で拡張的な財政政策が行われた場合、IS 曲線が右方にシフトする。これにより利子率が上昇し、自国の為替レートが増価する圧力がかかるものの、中央銀行が為替レートを元の水準に維持するために緩和的な金融政策を行うため、LM 曲線が右方にシフトする。よって、新しい均衡点における国民所得の水準は当初の水準よりも大きくなる。
  5. 固定相場制の下で緩和的な金融政策が行われた場合、LM 曲線が右方にシフトする。これにより利子率が低下し、自国の為替レートが減価するものの、為替レートの減価に伴って純輸出が減少し、IS 曲線が左方にシフトするため、新しい均衡点における国民所得の水準は当初の水準と同じになる。

 

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正答 4

  1. 誤り。拡張的な税制政策を行うとIS曲線は右にシフトし、利子率が上昇する。そのため為替レートが増価し、輸出が減少、輸入が増加するためIS曲線は左にシフトする。そのため国民所得は変化しない。
  2. 緩和的な金融政策が行われるとLM曲線が右へシフトし、利子率が低下する。このため為替レートが減価し、輸出が増加、輸入が減少するので、IS曲線が右へシフトする。結果として国民所得は増加する。(変動相場制なので中央銀行は為替レートを維持しようとはしない)
  3. 緩和的な金融政策が行われた場合、LMが右方にシフトし利子率が低下することにより、輸出が増加、輸入が増加するためIS曲線が右にシフトし、国民所得は増加する。
  4. 正しい。
  5. 固定相場制の場合は、中央銀行が為替レートを維持するので為替レートが減価するということはない。また、たとえ減価した場合は、純輸出が増加するのでIS曲線は右方にシフトする。
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