近年の国際情勢などに関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 2024 年6 月、EU 加盟27 か国で実施された欧州議会選挙において、極右政党の「国民連合」が大きく議席を伸ばして国内第一党となったイタリアでは、中道左派を率いてきたメローニ首相が、イタリア議会下院を解散して総選挙を行うと発表した。EU は1990 年代にパリ条約により成立し、2010 年代からは単一通貨ユーロの流通が開始され、競争力の高い共通市場となった。しかし、英国は、トラス首相の下で実施された国民投票で過半数がEU 離脱を支持したため、2020 年1 月にEU を離脱した。
- 2024 年11 月、イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ハマスの戦闘をめぐり、イスラエル・レバノン両政府は、米国とフランスの仲介により停戦合意に至った。イスラエルがレバノンのゴラン高原などを占領した第4 次中東戦争では、6 日間という短期間で停戦に至り、ゴラン高原に非武装地帯が設けられた。ゴラン高原では、国連平和維持活動(PKO)が展開され、イスラエルとレバノンの停戦合意監視に当たり、我が国からも、国連平和維持活動協力法(PKO協力法)が成立して以降初めて、自衛隊が派遣された。
- 2024 年11 月、中国政府は、ベトナムと領有権を争う南シナ海のスカボロー礁について、領海を示す根拠となる領海基線を定めたと発表した。これに対してベトナム政府は、領海などの範囲を改めて明確に規定する海域法を制定して対抗した。中国の海洋進出の歴史をみると、13 世紀初め、元の永楽帝は、南シナ海以西の朝貢貿易を拡大するため、鄭和に命じ、大艦隊を率いてインド洋方面に数次にわたる南海諸国遠征を行わせた。この大艦隊は、アフリカ東海岸に到達して、プトレマイオス朝から領土の一部を奪うなど、アフリカ大陸進出の先駆けとなった。
- 2024 年11 月に行われた米国大統領選挙で、民主党のトランプ氏が、米国史上2 人目の女性大統領を目指した共和党のハリス副大統領に大差で勝利し、翌年1 月、第47 代米国大統領に就任した。米国大統領を連続せずに2 期目を務めるのは、ケネディ大統領以来2 人目である。1960 年代に就任したケネディ大統領は、キューバ危機でソ連と対決姿勢をとり、その後を継いだニクソン大統領は、ベトナムへの本格的な軍事介入に乗り出し、中国やソ連の支援を受ける北ベトナムに大規模な爆撃(北爆)を行った。
- 2024 年12 月、ノルウェーのオスロでノーベル平和賞の授賞式が行われ、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が同賞を受賞した。核兵器のない世界を実現するための努力と核兵器が二度と使用されてはならないことを証言によって示してきたことが授賞理由とされている。同賞はこれまで、非核三原則を唱えた佐藤栄作元首相などの個人のほか、核兵器の脅威や科学者の責任を議題としたパグウォッシュ会議、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)などの団体に贈られてきた。
正答 5
- 誤り。メローニ首相はイタリアですが、所属政党は「イタリアの同胞」。「国民連合」はフランスの極右政党です。EUは1993年のマーストリヒト条約により発足した。パリ条約ではない。ユーロは1999年に導入(決済)、2002年に紙幣・硬貨流通である。2010年代ではない。英国離脱で国民投票を実施した首相はデービッド・キャメロン首相であり、トラス首相ではない。
- 誤り。レバノンのシーア派組織はヒズボラである。ハマスはパレスチナ(ガザ地区)の組織。さらに、第4次中東戦争では6日間で停戦ではなく、6日間なのは第3次中東戦争(六日戦争)である。また、ゴラン高原のPKOはイスラエルとシリアの停戦監視であり、レバノンではない。
- 誤り。スカボロー礁で争っている相手はフィリピン。永楽帝は明の皇帝。鄭和が到達した頃、プトレマイオス朝は約1500年前に滅亡している。
- 誤り。トランプ氏は共和党、ハリス氏は民主党。女性大統領を目指したのはハリス氏。さらに、連続しない2期目はグロバー・クリーブランド大統領以来であり、ケネディではない。ベトナムへの本格介入・北爆はジョンソン政権、ニクソンではない。
- 正しい。