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2025 国家一般職 政治学 No.1

権力と支配に関する次の記述のうち、最も妥当なのはどれか。

  1. R.ミヘルスは、第二次世界大戦後におけるドイツの政党組織について比較分析を行った。その結果、平等主義を掲げた社会民主党では一般党員に広く権力が分散していた一方、他の伝統的な政党では例外なく少数のエリートに権力が集中していたこと、すなわち「寡頭制の鉄則」が明らかとなった。
  2. M.ヴェーバーは、正統性を欠いた政治的支配の類型として、「伝統的支配」「カリスマ的支配」「合法的支配」という3 種類があると論じた。「合法的支配」の特徴は、支配者が反政府運動を非合法化し、警察や軍隊といった強制力によって排除することで体制の持続を図ろうとする点にある。
  3. P.バクラックとM.バラッツは、権力行使を伴わない支配の方法として「非決定」の重要性を説いた。彼らによれば、支配者はしばしば、自身にとって不利な問題を、反対勢力に先んじて自ら争点化した上で、その争点への態度を明確に表明せず、意思決定を先送りすることで現状維持を図る。
  4. N.マキアヴェッリは、『君主論』において、君主の修めるべき統治術について論じている。同書によれば、君主は、利己的な臣民たちを服従させるため、愛されるよりもむしろ恐れられるべきである。また、賢明な君主は、信義を守ることに必ずしもこだわらず、狡猾に振る舞うべきだとされる。
  5. T.ホッブズは、『リヴァイアサン』において、人々の間で知力や体力面の格差が大きいことから、人間の自然状態は「万人の万人に対する戦争」になると結論付けた。彼は、この戦争状況では人間の本来持つ自然権が行使できないとし、社会秩序を維持するために国家の樹立が不可欠であると説いた。

 

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正答 4

  1. 誤り。R・ミヘルスは、20世紀初頭のドイツ社会民主党を中心に政党組織を分析し、民主主義や平等主義を掲げる政党であっても、組織の官僚化と専門化の進展により、不可避的に少数の指導者に権力が集中することを明らかにした。これを彼は「寡頭制の鉄則」と呼んだ。
  2. 誤り。マックス・ヴェーバーは、政治的支配が人々に受け入れられる正統性の根拠として、「伝統的支配」「カリスマ的支配」「合法的(合法・合理的)支配」の三類型を示したのであり、「正統性を欠いた支配」の類型ではない。また、「合法的支配」とは、非人格的な法規範の正当性に基づく支配であり、支配者自身も法に拘束され、官僚制によって運営される点に特徴がある。反政府運動の非合法化や警察・軍隊による排除といった強制力の行使そのものを特徴とするものではない。
  3. 誤り。P・バクラックとM・バラッツは、権力行使の一形態として「非決定(nondecision)」の重要性を指摘したが、これは支配者が自らに不利な問題が争点化されること自体を阻止し、議題に上らせないことを意味する概念である。すなわち、問題を先んじて争点化したうえで意思決定を先送りすることを指すのではなく、そもそも意思決定の場に問題を持ち込ませないことによって現状維持を図る点に特徴がある。
  4. 正しい。
  5. 誤り。T・ホッブズは『リヴァイアサン』において、人間の自然状態が「万人の万人に対する戦争」となる理由を、知力や体力の格差の大きさではなく、むしろ人間が概ね平等であることに求めた。すなわち、誰もが他者を害しうる能力をもつため、相互不信と競争が生じるとした。また、ホッブズは自然状態においても人間は自己保存のための自然権を有していると考えており、それが行使できないとしたわけではない。ただし、自然状態では自然権の行使が不安定であるため、それを保障するために国家を樹立し、主権者に権力を集中させる必要があると論じた。

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