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2025 国家公務員経験者(事務・係長級) No.27

近年の法改正などに関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 令和6(2024)年4 月、改正障害者差別解消法が施行された。同法は、民間事業者が、障害者に対し不当な差別的取扱いを行うことを禁止し、また、障害者への合理的配慮の提供を努力義務として定めている。第二次世界大戦後、国連総会において世界人権宣言が採択され、国際人権規約が発効したが、いずれも法的拘束力はなく、障害者の人権や権利保護に関して実効性が課題となっていた。そのため、2020 年代には、法的拘束力を持つ障害者権利条約が発効し、我が国も同法の施行をもって、同条約を批准した。
  2. 令和6(2024)年5 月に成立した改正民法では、親権が子の利益のために行使されなければならないことが明記された。また、離婚後に父母の一方が親権を持つ単独親権の制度を廃止し、離婚後も父母双方が親権を持つ共同親権が導入されることとなった。我が国では、明治時代にドイツの法学者ボアソナードを招いて民法の編纂が行われたが、この民法案は江戸時代以前の体制が温存されていると批判を受けたため、戸主・家督相続制の規定を削除した上で、19 世紀末に公布された。
  3. 令和6(2024)年11 月、フリーランス・事業者間取引適正化等法が施行された。同法では、事業者が、従業員を使用しないフリーランスに業務委託をした場合、事業者は書面などにより取引条件を明示することが義務付けられている。かつての我が国の労使慣行は、終身雇用制、年功序列型賃金、企業別労働組合を特徴としたが、経済のグローバル化などにより、就業や賃金の形態に変化がみられるようになった。2010 年代には、時間外労働の上限規制や高度プロフェッショナル制度の導入などを内容とする働き方改革関連法が成立した。
  4. 令和7(2025)年2 月、第7 次エネルギー基本計画が閣議決定された。同計画では、2040 年度の我が国の電源構成の目標は、再生可能エネルギーが7 ~ 8 割、火力が1 ~ 2 割、原子力が1 割程度とされ、火力と原子力発電への依存度を低減することが明記された。19 世紀後半から20 世紀前半にかけて、レントゲンによる電子の発見やキュリー夫妻によるX線の発見、湯川秀樹による中性子の存在の予言など電磁波分野の自然科学が発展すると、それらの成果を用いて、火力発電や原子力発電などのエネルギー分野での技術革新が進んだ。
  5. 令和7(2025)年6 月、公立学校教員に残業代の代わりに月給の一定割合を支給する「教職調整額」を廃止し、教員の残業時間に応じた手当額を支給することとした改正教員給与特別措置法が成立した。新たな手当制度は教員の人材確保のための処遇改善を目的としており、令和8(2026)年度から導入される。第二次世界大戦後、民主教育の理念を示す教育基本法が制定されると、国の行政委員会として教育委員会が文部省内に設けられ、全国の教員の処遇改善や技能向上のために中心的な役割を担うこととされた。

正答 3

  1. 誤り。障害者差別解消法は令和6(2024)年4月の改正で、民間事業者の合理的配慮の提供は努力義務ではなく義務化された。世界人権宣言には法的拘束力はないが国際人権規約には法的拘束力がある。障害者権利条約は2006年採択、2008年発効、日本は2014年批准。
  2. 誤り。共同親権の導入は正しいが、ボアソナード民法が批判された理由は家制度が温存されていたからではなく、ボアソナード民法はフランス法を基礎とした自由主義的内容だったため、保守派から「日本の家族制度に合わない」と反対された(民法典論争)。その後制定された明治民法では、戸主権・家制度が盛り込まれた。「戸主・家督相続を削除した」は逆である。
  3. 正しい。
  4. 誤り。第7次エネルギー基本計画の数字が誤り。2040年度目標は再エネ:約4~5割、火力:約3~4割、原子力:約2割程度であり、「再エネ7~8割」ではない。レントゲン → X線、トムソン → 電子、キュリー夫妻 → 放射能研究、湯川秀樹 → 中間子である。すべて誤りです。
  5. 誤り。教職調整額は廃止されていない。改正法では教職調整額を段階的に引き上げる方向である。また、教育委員会は文部省内ではなく、地方公共団体の行政委員会である。


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公務員試験過去問研究
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